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2020.09.10 [Thu] 12:00
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スポーツライター 佐々木 亨氏によるオープン戦 戦評(9/9 エイジェック戦)

 先発の飯田大翔が立ち上がりから苦しむ。1回表は先頭打者を空振り三振に仕留めるなど早々に2アウトを奪うが、中軸を迎えて2者連続四球と制球を乱した。後続をレフトフライに討ち取り無失点で切り抜けるも、2回表は先頭打者への四球を皮切りに犠飛で先取点を失った。3回表も先頭打者の二塁打を起点に1失点。結局、3安打4四球の2失点と苦しんだ飯田は序盤でマウンドを降りた。

 「2ストライクと追い込んでからのピッチングが課題だった」

 一つ一つのボールには球威があり、相手の打者を圧倒する場面はあった。ただ、本人も自覚するように「決め球」に苦心した。先発の役割を全うできなかったピッチングを飯田は悔いるのだ。西田真二監督は、先発右腕をこう評する。

 「飯田は(流れを)つかみ切れなかった。もっとアグレッシブに投げて欲しかった」

 序盤にリードを許す中で、攻撃陣が反撃に転じたのは2点を追う5回裏だ。先頭の9番高本康平が四球をもぎ取り無死一塁。9番北川智也がライト線への二塁打を放ち、一塁走者の代走・須田凌平が三塁へ。走者二、三塁と好機が広がる。その絶好のチャンスで打席に立ったのは、1番本間諒。第1打席はセカンドゴロ、第2打席は空振り三振と、それまで無安打に抑えられていたが、5回裏の第3打席、本間の集中力は高まっていた。

 初球はファウル、2球目はボール球。カウント1ボール1ストライクの3球目だった。インコースのボールにうまく反応した本間のバットが、ライト後方へ打球を運ぶ。打った瞬間にソレとわかる会心の一撃だ。「いいところで、しっかりと仕留めてくれた」とは西田監督。

 逆転となる3ラン本塁打。

 勝負強い打撃に磨きがかかってきた本間の一振りが、球場の雰囲気を変えた。

 グラウンド整備直後の6回表、4番手で登板した氏家優悟が一死から二塁打、犠飛で走者を三塁へ進められ、さらに死球を与えてピンチを広げた。その後、代わった草海光貴がレフト前へのタイムリーヒットを浴びるのだが、後続を抑えて同点に留めた。ちなみに、氏家は1年5カ月ぶりの実戦マウンドだった。昨年6月に左肘の手術、通称「トミー・ジョン手術」を受けてリハビリを続けていた。その苦境からの復活だ。投げられる喜び、マウンドに立てた嬉しさは、確かにあった。ただ、氏家自身はその思いだけで満足はしていない。マウンドに立つ以上は抑えなければいけない。その自覚を持つ氏家は、たとえ久しぶりのマウンドでも失点につながるピンチを作ってしまった投球内容が悔しくて仕方がない。

 「マウンドに立てた嬉しさはあります。嬉しいですけど、求めるのはそこじゃない。しっかりと抑えなければいけなかった。自分自身を、そしてピッチング内容を制御できていなかった」

 投手としてのプライドがそこにはあった。だからこそ、こう思えた。高い意識でマウンドに上がる左腕が再びチームの戦力になったことは、とてつもなく大きな意味がある、と。7回表を横山楓が、8回表を横田哲が、そして9回表を石垣永悟がそれぞれ無失点に抑えたように、今シーズンの投手陣には安定感がある。氏家を加えてさらに強固となっていくであろう投手陣の力。同点で終えた試合の中にも、その可能性だけははっきりと見えた。

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3イニングスを投げて被安打3。2失点でまとめるも本調子ではなかった先発の飯田投手
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2回裏に右越え二塁打を放った5番北阪選手は、4回裏にも右前安打で出塁した
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3回裏、俊足を生かしてショート内野安打を放った2番植田選手
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5回表を三者凡退に抑えた3番手の井上投手
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5回裏無死一塁、チャンス拡大となる右翼線二塁打を放った9番北川選手
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5回裏無死二、三塁、1番本間選手の右翼への3ラン本塁打で一気に逆転
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6回表、4番手で登板した氏家投手は1年5カ月ぶりの実戦マウンドとなった
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7回表、二塁打を浴びるも後続を討ち取り無失点に抑えた横山投手
日時/場所 2020年9月9日(水)10:00~ セガサミー野球場
結果 セガサミー(三塁側) 3-3 エイジェック(一塁側)