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2020.07.28 [Tue] 14:00
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スポーツライター 佐々木 亨氏によるプロアマ交流戦 戦評(7/19 埼玉西武ライオンズ戦)

埼玉西武ライオンズの先発は、2018年に最多勝(16勝)を獲得した多和田真三郎投手だった。多和田投手にとっては調整登板という位置づけだったかもしれないが、時としてプロで実績を積む投手との対戦があるのも、プロ・アマ交流戦の醍醐味である。
1回表、その右腕の初球をとらえたのは1番本間諒のバットだった。143キロのストレートを完璧にとらえる。打球はメットライフドームの外野最深部である右中間へ向かって伸び、そのままスタンドに吸い込まれた。まさに、目の覚める一発だ。本間が悠々と三塁ベースをまわり、ホームベースを踏んで先取点が刻まれると、一塁側ベンチは活気に包まれた。

 

流れはいい。勢いを残したまま迎えた4回表には、埼玉西武ライオンズの2番手投手から4番根岸晃太郎がセンター後方のフェンスに直撃する大飛球を放った。記録は三塁打である。5番澤良木喬之が四球を選んで無死一、三塁。その好機で6番北阪真規が一、二塁間を抜けるヒットを放って1点を追加。さらに無死一、三塁と好機が続く中で、7番中川智裕がライトへきっちりと犠飛を放って、点差は3点に広がった。

 

マウンドでは、先発の久保田淳希が躍動する。1回裏は連打で二死一、三塁とピンチを迎えるも後続をショートライナーに討ち取って無失点。2回裏は先頭の6番打者をキレのあるストレートで見逃し三振に仕留めながら無失点。3回裏は二死から3番打者にライト前ヒットを浴びるも、動揺することもなくまたしても無失点に抑えた。
3点リードの4回裏は5番打者にソロアーチを浴び、5回裏には3番打者にタイムリーヒットを浴びて2イニング連続で失点するも、この試合での久保田は大崩れをすることなく粘りのピッチングを見せた。結局、6回を投げて2失点。先発の役割を十分に担う好投だった。

「体力面やコントロールの精度など、まだまだ課題はありますが、今日は初回から本間さんのホームランで先制してもらって気持ち的に余裕を持ちながら投げることができました。全体的に低めにボールを集められたのがよかった」

 

自粛明けの試合から先発を担うルーキー左腕は、試合後に笑顔でピッチングを振り返った。
久保田の好投を無駄にしたくない打線は7回表、8番北川智也の右翼線三塁打を皮切りに一、三塁と攻めると、3番市根井隆成に2点タイムリー二塁打が飛び出して追いすがる相手を突き放した。
7回裏に2番手で登板した横田哲が本調子ではないピッチングで1失点、9回裏には抑えの陶久亮太が犠飛で失点して1点差に詰め寄られるも、最後はギアを入れ直した陶久が空振り三振で締めて接戦をものにした。

 

序盤早々に先取点。中盤に点差を広げ、追い上げられるも終盤に得点を重ねて常に優位に試合を運んだ。この試合は途中出場となった31歳の政野寛明は言う。

「ここ数試合は投打がなかなかかみ合わなかった。投手陣が抑えても打線が点を取れず、逆に打線が点を取っても投手陣が失点を重ねて負けたり。今日はその悪い流れを払拭するような、良い試合展開の中で勝ち切ることができました。とにかく早いイニングで先取点を挙げて、いつでも打線が5点ぐらい取るような展開が理想ですね。これからも、そういった野球を目指してやっていきたいと思います」

 

まさにベテランの言葉を実践し、勝利を積み重ねていく。常勝の中で蓄えられていくチームの底力。それは厳しさと隣り合わせの公式戦で必ずや生きてくるはずだ。

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1回表、先頭打者の本間選手が初球を右中間スタンドへ運んで先制する
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6回2失点と先発の役割を担った久保田投手
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4回表、4番根岸選手が中越え三塁打を放ってチャンスメイク
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4回表無死一、三塁、6番北阪選手の右前適時打で追加点
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4回表、7番中川選手のライトへの犠飛で3点目。三塁走者・植田選手
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7回表、代打・北川選手が右翼線へ三塁打を放ってチャンスを築く
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7回表二死二、三塁で2点適時打を放った3番市根井選手
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7回裏途中から登板した田中投手は打者3人を完璧に抑える好投を見せた
日時/場所 2020年7月19日(日)12:30~ メットライフドーム
結果 セガサミー(一塁側) 5-4 埼玉西武ライオンズ(三塁側)