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BATTERY

木村、上津原-谷澤、坂田

戦評COMMENT

今シーズン初の公式戦は、寒さを吹き飛ばす歓喜のサヨナラ勝利となった。両軍譲らず延長戦に突入した平成22年度東京都企業春季大会1回戦。最後は、2番照屋真人の執念の左翼線安打が勝敗を決めた。都市対抗予選の組み合わせに直結する重要な今大会で、まずは幸先の良いスタートを切った。

 

「頭(先発)で行こうか」
西詰嘉明コーチから公式戦初戦の先発を言い渡されたのは2日前のことだ。木村宜志は一瞬「えっ!俺が?」と驚く一方で、高揚感が沸々とこみ上げてきた。本人曰く「公式戦の先発は2年ぶり」だった。緊張がないと言えば、嘘になる。だが、それよりも先発で投げられる喜びを感じ、そしてシーズンのスタートを自身の右腕に賭けてくれたチームの決断を意気に感じた。
底冷えする大田スタジアム。初回、木村が静かにマウンドに上がる。初球は、ど真ん中のストレートだった。134キロ、135キロと、徐々に球速が増す。明治安田生命の1番小野寺選手を遊飛に討ち取った球は、魂のこもった135キロの内角ストレートだった。後続の打者も難なく料理し、三者凡退。一塁側に陣取るチームに、寒さを吹き飛ばす熱をもたらした。右サイドハンドから放たれる球は、2回以降も精度を高める。5回までに許した出塁は、2つの死球だけ。4つの三振を奪うなか、ノーヒットピッチングを続けた。前半の投球を木村が振り返る。
「もともと真っ直ぐ中心の組み立てですが、今日は緩急をつけながら投げられました。右打者は体を開く傾向があったので、外角へのスライダーとカーブを多く使いました」  上手投げから横手投げに変えたのは08年の年末のことだ。昨シーズンは、より球威が増すなかで中継ぎ、抑えを任せられた。投球フォームは固まった。横手投げにしたことで、以前にも増して変化球を織り交ぜながら左右高低へのボールの出し入れがうまくできるようになった。この試合でも、その成長は明らかに見て取れた。  5回裏に9番宮之原裕樹の左翼線二塁打、1番川端裕也の二塁内野安打でチャンスメイク、続く2番照屋真人の中堅への犠飛で1点を先制した時点で、木村の快投を考えれば勝利がグッと近づいたように思えた。だが、勝負事はわからないものだ。6回表、木村が二死から死球の走者を背負うなかで3番荒川選手に痛恨の2ラン本塁打を浴びる。カウント1-3からの甘く入ったストレートを木村が語る。
「谷澤(恭平)の要求は内角へのボール球でした。完全に僕の失投です。ほぼ真ん中にいってしまった……」
捕手の谷澤は「ボール球で、次の打者と勝負するつもりだった」。続く4番加藤選手は、それまで2三振と完璧に封じていた。それだけに……逆転を許した一球が悔やまれる。
だが、木村が築いた流れ、もたらした熱は、その後もチームの士気につながった。7回裏に2番照屋の右翼線への適時打で同点とすると、7回途中からマウンドを譲り受けた上津原詳が完璧な火消し役となって相手打線に点を与えない。そして延長11回裏、1番川端の二塁打、2番照屋のこの試合3打点目となる左翼線への一打でサヨナラ勝利を収めた。試合後、公式戦初戦を勝利で終えた佐々木誠監督は胸を撫で下ろした。
「チャンスでの決定打に欠けるところはありましたが、今日はピッチャーがよく投げてくれました」
今シーズン、チームはオープン戦も含めて「勝ち」にこだわっている。勝利への執念は、逆境での粘りを生む。この試合は、そんな今年に賭ける思いを体現した価値ある試合だったのではないか。球場をあとにする木村は、最後にこう言った。
「今日の反省点を踏まえて、もっとスタミナを強化して次も頑張ります」
快投、勝利の余韻に浸ることなく、次なる「勝ち」を見つめる姿に進化した今年のチーム力を見た。

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2010/03/09 : 明治安田生命戦 の試合を共有する